Surgery
当院では、院長の専門分野である膝関節手術を中心に、肩や肘のスポーツ外傷の関節鏡視下手術を主に行っています。
もちろん一般的な骨折に対しても、できる限り対応させていただきますが、
早急な対応が必要な場合は、信頼できる病院を紹介させていただきます。
当院でよく行う手術は以下の手術です。
先生。この前サッカーで膝を痛めてしまったんです。
おや、それは大変。
どんな症状があるの?
踏ん張ると膝がガクッと抜ける感じがします。
膝の痛みはケガして二週間ぐらいで無くなったけど・・・。
それは前十字靭帯の断裂かもしれないね。
詳しく検査してみよう。
前十字靭帯断裂は膝のスポーツ外傷の中ではメジャーなけがです。
膝に直接タックルされるなどして起こるコンタクト型の損傷と、ジャンプの着地や方向転換などの動作の際に起こる
ノンコンタクト型の損傷があり、後者は自分の身体をコントロールしきれなかった事が原因で起こったケガとも言えます。
検査の結果、前十字靭帯の断裂だった・・・。
このままだと膝が不安定で良いプレイが出来ないよ。
ベストパフォーマンスが発揮できないのは辛いね。
この状態を放置すると半月板損傷・関節軟骨の損傷などを引き起こす
危険性も高くなるよ。そうなる前に手術を考えたほうがいいね。
手術か・・・。
手術って、どうやるんですか?
自分の腱(半腱様筋腱や膝蓋腱の一部)を移植して前十字靭帯の代わりにする、
靭帯形成術を行うよ。関節鏡という内視鏡を見ながらするんだよ。
よーし!決心しました!
手術をして、すぐにでもサッカーに復帰するぞ!!
あまーい!
手術もだけど、治療で大切になるのが術後のリハビリなんだよ。
リハビリの計画を見てみようね。
長い期間をかけてじっくりリハビリを行うことで、
動作上の弱点を改善していくんだよ。またケガをしないように、
しっかり体の使い方を覚えていこうね。
手術をすれば終わりじゃないんですね。
大好きなサッカーを続けるためにも、頑張ってみます!
先生!膝が急に痛くなって曲がらなくなってしまいました!どうしよう!!
大丈夫。落ち着いて!
転んだり、ぶつけたりはしてないんだね?
はい。庭仕事をしていたら急に・・・。
引っかかった感じがして歩けません。
それは半月板断裂によるロッキング症状かもしれないね。
ロッキングを解除して、検査してみよう。
半月板は膝関節にあるC型をした軟骨の一種で、膝にかかる衝撃を吸収するいわばクッションのような役割です。
この半月板が割れるのが半月板断裂です。
損傷を受けたことで、半月板が欠けて膝関節に侵入することがあります。
すると、半月板が膝の関節に挟まり、激しい痛みとともに膝が曲がらなくなります。
これをロッキング症状といいます。
検査の結果、半月板の断裂だった・・・。
マラソンが趣味で、ずっと走っていたから膝に負担だったのかな。
半月板断裂の原因は、スポーツでの激しい動き、長距離走などで微外傷を繰り返す、加齢、形成異常(円盤状半月)など様々なんだ。
でも、ロッキングを解除してもらったらすっかり良くなっちゃいました。
こんなに簡単に治るものなんですね!
残念ながら、引っ掛かりは取れても半月板そのものは治せていないんだ。
断裂した半月板は自然には元に戻らないから、治療には手術が必要だね。
そうですか・・・。どんな手術をするんですか?
手術は半月板を温存する半月板縫合術を行うことを第一に考えるよ。
しかし、半月板は血流に乏しくて断裂形態によっては縫合しても癒合しない場合も多いんだ。
その場合は傷んだ部分を切り取る切除術を行うよ。
どちらも関節鏡という内視鏡で行うよ。
縫合術と切除術では術後の経過は違いますか?
術後の固定やスポーツ復帰の時期に差があるよ。確認してみよう。
半月板縫合術では、手術後2~3週間程度ギプス等で固定する場合もあり、4~5週程度松葉杖での歩行が必要です。
スポーツ復帰は早くても2ヶ月はかかります。
半月板切除術は術後2~4日程度で松葉杖なしでの歩行を許可します。スポーツ復帰は早くても3週間は必要です。
手術により半月板自体の悪い部分は修正でき、ひっかかり感やロッキング症状は改善されます。
手術後は膝の可動域改善や膝周囲の筋力強化を行います。
術後のリハビリでは、一人ひとりの姿勢や歩き方、走り方を評価して膝に負担が集中する原因を見極めてそれを修正していくよ。
リハビリも大切なんですね!これからも庭仕事は続けたいし、手術を考えてみます。
あいたたた・・・。先生、膝が痛くって・・・。
すごく辛そうですね。どんな時に痛みが強いですか?
立ち上がる時や動き出す時、あとは階段の昇り降りが辛いです。
それに最近、娘にO脚がひどくなっていると言われて・・・。
変形性膝関節症の可能性がありますね。一度検査してみましょうか。
変形性膝関節症とは、体重や加齢などの影響から膝の軟骨がすりへり、膝に痛みを生じるようになる慢性的な病気です。
膝に体重がかかる動作で痛みが悪化する場合が多くみられます。
膝周りの筋肉をトレーニングすることで膝にかかる負担を軽減できますが、進行すると痛みで歩行が困難になることがあります。
レントゲンではお膝の軟骨がかなりすりへって、隙間が狭くなっている状態ですね。
お膝周りに筋肉をつけようと、筋トレも頑張ってたんだけど・・・。
この頃はじっとしてても痛くって、家事や買い物もままなりません。
筋トレやリハビリを頑張っても痛みが取れず、日常生活に支障が出ている場合、手術を検討されても良いかと思います。
手術って、どのような手術をするのですか?
傷んだ関節を金属の関節に入れ替える、膝人工関節置換術を行います。
関節面が人工物に入れ替わるので、破壊された関節から生じていた痛みはなくなります。
人工関節は金属とプラスチックで構成され、骨との接着は骨セメントを用います。
痛みが消失することで筋肉にも力が入りやすくなり、階段の上り下りや歩行がしやすくなります。リハビリは手術後2日目から開始します。
入院期間はどれくらいになりますか?
入院期間は3週間から4週間で、不安を出来るだけ少なくした状態で退院していただきます。
退院後の生活や自宅周辺の環境を想定しながら、階段や床への立ち座りなど、各々の生活に合わせたリハビリを行います。
退院後もリハビリは必要ですか?
退院後は、週に1~3回のペースでリハビリを行います。
日常生活をより過ごしやすくするために、リハビリで動作の獲得などを行っていきます。
リハビリの期間は手術後3ヶ月を目処に行います。
まだまだやりたい事がたくさんありますし、勇気を出して頑張ってみようかしら。
不安なく手術やリハビリを受けて頂けるよう、サポートします!
先生、こんにちは。
こんにちは。お仕事、頑張ってるかい?
それが・・・。柔道の稽古中に受け身を取りそこねてしまって、肩を脱臼したようです。
動くようにはなったけど、それからずっと痛くて困っています。
柔道は長く続けていたよね。脱臼は初めて?
学生の時からだから、もう何度目か分からないくらい・・・。
慣れちゃって、その度に自分で入れてました。
脱臼は整復すれば動くようになるけど、本当の問題は関節唇の損傷にありそうだね。
関節唇は肩関節を安定させる働きをしている大切な組織なんだ。
詳しく検査してみようか。
関節唇とは関節窩(関節のくぼみ)の周りを取り囲む組織です。
関節唇は肩関節が前後、上下にぶれないように支える働きをしていますが、
肩の脱臼や脱臼を繰り返すことで剥がれることがあります。
剥がれた関節唇は元の状態には戻りません。
検査の結果、関節唇の損傷が激しいね。
関節唇が十分に修復されない状態だったから、何度も脱臼を繰り返していたんだね。
こういった場合、手術が必要になってくるよ。
どのような手術をするのですか?
関節鏡という内視鏡で、傷んだ関節唇を修復するんだ。
個人差はあるけど、関節唇が修復するのに3ヶ月、十分な強度になるのに約8ヶ月かかるといわれているよ。
術後は安静が必要ですか?
そうだね。術後は約1ヶ月間装具をつけて、手術した部分の安静が保てるようにするよ。
その間は理学療法士が手術したところに負担がかからないようなプログラムを作成して、可動域を維持・拡大するリハビリを早期から行なうんだ。
柔道への復帰はどれぐらいかかりそうですか?
スポーツに復帰するのは約半年後、コンタクトスポーツなら8ヶ月後になるね。安全に復帰できるよう、全力でサポートするよ!
仕事も柔道もまだまだ全力で頑張りたいんです。
手術、受けることにします!
あ~。また肩が痛くなってきた・・・。
こんにちは。どうされましたか?
長年野球をやっていて、一年前から仕事の合間に少年野球のコーチも始めたんです。
そうしたら、右肩がどんどん痛くなってきて。
痛みでかなり辛そうですね。
常に痛む感じで、寝ている時も痛みで目が覚めることがあります。
あと、右肩が上がらなくなってしまいました。
腱板断裂の可能性がありますね・・・。
詳しく検査してみましょう。
腱板とはいわゆるインナーマッスルと呼ばれる筋肉の腱の部分で、肩の動きに非常に大切な役割を持つ組織です。
腱板が切れてしまうと、肩に痛みが出たり、力が入らなくなり腕が挙がらなくなったりします。
明らかな怪我がなくても、使い過ぎによって生じることもあります。
検査の結果、腱板が断裂していました。肩が上がらないのもこのせいですね。
うう・・・。このままだと困るなあ。
腱板断裂は自然治癒が難しいですし、このまま使い続けると断裂範囲がさらに広がる可能性があります。
症状も強いようですし、手術を検討されてもいいと思います。
手術で治せるのですか?
断裂した腱板を関節鏡という内視鏡を使って修復する手術を行います。
術後は再断裂を防ぐためにも、固定や安静を守りながら生活していただきます。
治療においては、手術の後のリハビリもかなり重要になってきます。
手術した腱板は、約3ヶ月で骨に付き、十分な強度になるには半年かかるため治療には時間がかかります。
手術後、損傷の程度によりますが、つないだ部分が切れてしまわないように約1ヶ月間装具をつけます。
その間に全く動かさないと肩が固まってしまうので、負担のかからないように理学療法士が可動域(関節の動く範囲)を維持・拡大するリハビリを行います。
筋力も落ちてしまうので、つないだ部分に負担のかからないような範囲で肩周囲の筋肉のトレーニングを行います。
切れていた部分の筋肉を鍛え始めるのは手術後約2ヶ月後からです。
スポーツに復帰するのは約半年後です。これまでに可動域と筋力を戻していることが必要です。
個々に合わせたリハビリプランで、それぞれのゴールに向かってサポートします。
ようし!野球チームの子供たちに、手術のことを伝えてきます!
安心して復帰できるよう、頑張ります。